2010 Fiscal Year Annual Research Report
回復期統合失調症者に対する電子端末を活用した家族心理教育プログラムの開発
Project/Area Number |
10J01008
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
高田 裕光 筑波大学, 大学院・人間総合科学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 回復期統合失調症 / プログラム |
Research Abstract |
うつ病心理教育の為のweb自己カウンセリングシステムは、これまで我々によって試行されている(宗像、高田ら、2009)。本研究は、回復期統合失調症の心理教育の為に家族や回復期にある本人が利用できるWEB心理教育システム作成を目的とし、本年度はまず、そのコンテンツ作成計画を立案した。統合失調症は、難治化させやすい遺伝的気質を持つ症例とそうでないものがある。その疾患の性質と難治化させやすい遺伝的気質との混同が、一般のみならず専門家にもみられる。遺伝的気質の弊害を克服するために特定のセルフケアによる心理教育をする必要がある。なかでも、(1)調節物質セロトニン神経伝達が不足した場合、緊張物質ノルアドレナリン分泌を調節しがたい損害回避遺伝子を持つため、神経質で思い込みや妄想を持ちやすい不安気質者には、クールダウンの為のセルフケア、また報酬物質ドパミン神経伝達が不足した場合は、報酬不全の遺伝子があり、生真面な執着気質者には「まあいいか」と心の声を10回以上行うというセルフケア、また鎮静物質ギャバ神経伝達不足も伴うことから、対人緊張をさける単独性指向がある自閉気質者には心のサポーターをもつセルフケアが必要である。(2)難治化する統合失調症は、これらの気質を持つ症例が一般的であるので、思い込みや妄想、感情的巻き込み、強い・高い・急激な音声などの高感情表出を避ける環境形成を家族や援助者に心理教育する必要がある。(3)緊張物質ノルアドレナリンを減少させるためにメジャーリーガーがガムを噛むように、「関係者以外に愚痴る(咀嚼運動)」セルフケアを自己練習したり、また相手の意見を繰り返し、私表現で自分の意見をつぶやく自己練習が必要であり、これらをweb上で行うプログラムを計画した。
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