2010 Fiscal Year Annual Research Report
電位センサータンパク質の作用機序に対する物理化学的手法を用いた解析
Project/Area Number |
10J01585
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
川鍋 陽 大阪大学, 医学系研究科, 特別研究員(PD)
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Keywords | 電位センサータンパク質 / 電位依存性プロトンチャネル / VSOP / バッチクランプ法 / 生物物理 / 赤外分光法 |
Research Abstract |
本研究では、電位センサータンパク質であるVSOP(電位依存性プロトンチャネル)の電位感知メカニズムをはじめとする基本的な性質を、電気生理学的な手法(主にパッチクランプ法)と物理化学的手法(主に赤外分光法)を組み合わせて明らかにすることが目標である。本年度の研究成果の概要を以下に記述する。 1.一般的に、赤外分光計測に必要なサンプル量は数マイクログラム程度でもよいが、精度よくスペクトルを測定するには数ミリグラム程度の大量のサンプルが必要となる。そこで、マウス由来のVSOPを発現ベクターに組み込み、大腸菌にて発現・精製を行い、良好な発現結果を得た。VSOPは膜タンパク質であるのでリポソームに再構成し、pH依存的に変化する蛍光物質を用いた測定系で活性があるのか確認した。その結果、実際に電位依存性プロトンチャネルとしてはたらくことが確かめられた。このようにして活性のあるサンプルを調製することが可能となった。 2.上記で調製したサンプルを、水溶液中でも測定可能な全反射赤外分光法にて基質結合やpH変化に伴う構造変化の解析を行ったが、精度のよいスペクトルを得ることができなかった。これはリポソームに再構成した際に、タンパク質と比較して脂質の量が多すぎたためと考えられる。そこで、タンパク質と脂質の比率を見直すなど条件検討をし直し、再度サンプル調製・測定を行っている。また一方で、リポソームを巨大化したジャイアントリポソームを作製してガラス電極を当てるパッチクランプ法での電気生理学的な解析も試みている。
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[Journal Article] Chimeric Microbial Rhodopsins Containing the Third Cytoplasmic Loop of Bovine Rhodopsin2011
Author(s)
Nakatsuma, A., Yamashita, T., Sasaki, K., Kawanabe, A., Inoue, K., Furutani, Y., Shichida, Y., Kandori, H.
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Journal Title
Biophys.J.
Volume: 100
Pages: 1874-1882
Peer Reviewed
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