2010 Fiscal Year Annual Research Report
極域電離圏-磁気圏結合系におけるプラズマ密度構造と磁気嵐に伴う変動
Project/Area Number |
10J01671
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
北村 成寿 東北大学, 大学院・理学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | イオン流出 / 極域電離圏 / 地球磁気圏 / あけぼの衛星 |
Research Abstract |
極域電離圏は、そこから伸びる磁力線が地球磁気圏の比較的外側や惑星間空間に接続しており、磁力線に沿ってプラズマが流出していく。磁気圏の尾部に輸送されたプラズマは内部磁気圏のエネルギーの高いプラズマのソースとなるため、極域電離圏は磁気圏全体のプラズマのソースとして重要な領域である。 あけぼの衛星の太陽活動2周期の極大付近約6年分という過去に類を見ない量の電子密度データを用いて、地磁気静穏時の極冠域電離圏-磁気圏での太陽天頂角依存性を考慮に入れた統計的電子密度分布モデルの構築を行った。これにより、地磁気静穏時の日陰日照境界付近で密度分布が急激に変わることを定量的に明らかにした。また、Intercosmos衛星と地上のEISCATスバールバルレーダーとによって観測された電離圏における電子温度、イオン温度の太陽天頂角依存性の統計解析を行い、電離圏-磁気圏における電子密度の太陽天頂角依存性と比較を行った。その結果、日照(日陰)時の高度約1000-4000(1000-2000)km付近の密度分布については、酸素イオンを主成分とした静水圧平衡の分布でかなり良く表現できることが明らかになった。これらの解析結果を論文としてまとめ、Journal of Geophysical Research(JGR)誌に現在投稿中である。 あけぼの衛星の波動観測によって明らかになった磁気嵐時の電子密度増加現象について、その領域におけるイオン組成をイオンの計測機のデータを用いて明らかにし、それらのイオンが磁気圏へ流出できるエネルギーをもっている事を明らかにした。これは、磁気嵐時の磁気圏への重イオンの供給に関して、今まであまり注目されていなかったエネルギーの低いイオンについても注目する必要があることを示す結果であり、論文をJGR誌に投稿し、受理された。
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Research Products
(12 results)