2010 Fiscal Year Annual Research Report
バクテリアからヒトまで高度に保存された Nif3 ファミリー蛋白質の構造機能解析
Project/Area Number |
10J01804
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
友池 史明 大阪大学, 生命機能研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | Nif3 / 機能未知蛋白質 / 電子顕微鏡 / 表面プラズモン共鳴 / DNA結合 / 金属イオン / 高度好熱菌 |
Research Abstract |
Nif3ファミリー蛋白質はバクテリアからヒトまで広く保存されている蛋白質であるが、その機能はまだ明らかになっていない。Thermus thermophilus HB8がもつこのファミリー蛋白質、TTHA1606については、これまでの研究により結晶構造が明らかにされており、結晶中では六量体のリング状構造をとることが分かっている。また、一本鎖DNAがこのリングの内側に結合すると予想されていた。私はTTHA1606が一本鎖DNAに結合することを発見したが、その結合親和性が実験毎に異なるため、このDNA結合能に何らかの因子が関与していると考えた。そこで、一本鎖DNAを固定化したチップを利用した表面プラズモン共鳴法により、TTHA1606の一本鎖DNAとの結合をさまざまな金属イオン存在下で観測した。その結果、マグネシウムイオン、鉄イオンの存在下で結合を示すシグナル変化がみられたことから、これらの金属イオンがTTHA1606のDNA結合能に影響を与えることが示唆された。Nif3ファミリー蛋白質のリング状構造の内側には、金属イオンをキレートするよく保存された残基が存在する。よって、この結果は一本鎖DNAがTTHA1606のリング内部に結合するという仮説を支持するものである。また、透過型電子顕微鏡を用いてTTHA1606の観察を行ったところ、リング状の構造が観測された。このことから、溶液中でもTTHA1606がリング状構造をとることが明らかになった。また、ヒスチジンタグを付加したTTHA1606を用いて、相互作用タンパク質を探索した結果、いくつかの候補が得られた。TTHA1606との結合を検証するため、各候補タンパク質をそれぞれ大腸菌で大量に発現させた。
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