2012 Fiscal Year Annual Research Report
バクテリアからヒトまで高度に保存された Nif3 ファミリー蛋白質の構造機能解析
Project/Area Number |
10J01804
|
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
友池 史明 大阪大学, 生命機能研究科, 特別研究員(DC1)
|
Keywords | Nif3 / 機能未知蛋白質 / マイクロアレイ / 遺伝子破壊 / ヌクレオチド代謝 |
Research Abstract |
Nif3ファミリーはバクテリアからヒトまで広く保存されている蛋白質であり、転写調節因子との相互作用が示唆されているものの、その機能はまだ明らかになっていない。本研究では、Thermus thermophilus 3HB8がもつこのファミリー蛋白質、TTHA1606の解析を行い、Nif3ファミリーの機能解明を目指している。TTHA1606の細胞内機能を明らかにするために、TTHA1606を欠損した株における遺伝子発現の変化を調べた。解析方法は、全遺伝子の発現量変化を観察することができるマイクロアレイを用いた。その結果、ヌクレオチド分解酵素である(d)NMP分解酵素、デオキシヌクレオチド合成に関わる、TMPキナーゼ、NDPレダクターゼのαサブユニットおよびβサブユニットが、TTHA1606の欠損によって発現量が増大することが明らかになった。これらの遺伝子のうち、NDPレダクターゼの二つのサブユニットは同一オペロン上に存在するが、他の二種は異なるオペロンに存在するため、TTHA1606はデオキシヌクレオチド合成酵素の遺伝子発現を調整していることが示唆された。TTHA1606はこれまでの研究により、一本鎖DNAに結合する分子機能を有することが明らかになっているため、TTHA1606は伸長中、またはDNA障害によって生じた一本鎖DNAと相互作用し、デオキシヌクレオチド合成酵素の遺伝子調節を行うことで、デオキシヌクレオチドプールの調節を行っていることが示唆された。
|