2010 Fiscal Year Annual Research Report
公共宗教と国民形成の政治力学:ポーランド・ナショナリズムとカトリック教会
Project/Area Number |
10J02129
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
宮崎 悠 北海道大学, スラブ研究センター, 特別研究員(PD)
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Keywords | 国際政治史 / 政治思想史 / ポーランド |
Research Abstract |
今年度は、「ポーランドにおけるシオニズムの析出」をテーマに研究を進めた。 2010年4-5月に先行研究整理と史料確認を行った後、6-8月に、ベングリオンをはじめとするポーランド・シオニスト関連の一次・二次文献の閲覧・収集作業を進めるため、エルサレム(イスラエル)において資料収集を行った。また、ヘブライ大学においてエルサレム・ウルパンに参加し、ヘブライ語の習得に努めた。この間、主としてヘブライ大学付属図書館において、ベングリオン自伝のほか、彼と同時代のポーランド・シオニストであるA.ハルトグラス関連の文献(自伝、著作)を収集した。ハルトグラスは、本来はパレスチナへの移住を推進するシオニストでありながら、ポーランドでのディアスポラ状態に留まり、在留型のシオニズムを実践した人物である。来年度以降は、フィンランド(ロシア語のシオニズム雑誌閲覧のため)及びポーランドでの資料収集を行い、ポーランド在留型シオニストについての調査を進める予定であり、その基礎となる資料を得ることができた。 前期に行った研究の中間報告として、7月27日にICCEES VIII World Congress 2010(於ストックホルム)での口頭報告を行った。また、9月27日に研究会「比較帝国論の具体的展開」の第一セッション「帝国の狭間の中欧」において、口頭報告「残像の帝国をめぐる攻防」を行った。 後期には、A.Eisenbachや山田朋子らの先行研究にみられる、農民とユダヤ人を対照的にとらえる視点を基に、ポーランド農民党の指導者であるW.ヴィトスについての検討を始めた。このテーマについては2011年1月7日、口頭報告「鍬と議会:W.ヴィトスの農民運動」を北海道大学スラブ研究センター「スラブ地域社会論総合特別演習」において行った。また、農民問題と対置する形で、戦間期ポーランド・シオニズムの起源と展開について口頭報告「A.ハルトグラスの選択」をSRC新学術研究員ミニカンファレンス(2月12日)において行った。
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Research Products
(3 results)