2011 Fiscal Year Annual Research Report
真空パッケージによる低電圧高速レーザディスプレー用マイクロミラーの研究
Project/Area Number |
10J02134
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
チュマン ホアン 東北大学, 大学院・工学研究科, 特別研究員(PD)
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Keywords | Micro-mirror / Laser scanning display / Air damping / Vacuum package / Anodic bonding |
Research Abstract |
本研究では、回転構造体の外縁部に配置した櫛歯型静電駆動アクチュエータを備えた小型2次元マイクロミラースキャナーの開発を行った。2軸方向走査を実現するための多数の電極配線に構造体を利用した。差動AC駆動方式により、大気中での内側ミラーとジンバルフレームの共振周波数はそれぞれ24.88kHzと592Hzであり、共振時の走査角度はそれぞれ21°と24°であった。シリコン・ガラスの陽極接合や低融点金属リフロー等を使用した真空中における2次元マイクロミラーの設計、製作及びパッケージ技術を確立した。従来の真空パッケージ技術では、気密シール及びパッケージ内の空気除去のために接続面の高い平坦度が要求されていた問題点があった。この問題点を解決するために、陽極接合と低融点合金Snを用いた突起形状のAu/Sn/Crのリフローを組み合わせることによって、非常に効果的な真空パッケージ技術を実現した。マイクロミラーは、所定のギャップで2枚のパイレックスガラスに挟み陽極接合が行われるが、そのギャップによるスクイーズ空気膜による減衰特性も調べた。パッケージされたマイクロミラーの内側ミラーとジンバルフレームが共振時に25°の走査角度が得られるための必要な駆動電圧はそれぞれ20Vと17Vであった。このときの共振周波数はそれぞれ30kHzと290Hzであった。 要約すると、スキャンレーザーディスプレーのために、マイクロミラーの設計、作成及び真空ウエハーレベルパッケージを行い、高速スキャン、高回転角及び低駆動電圧を同時に満たす条件の2次元マイクロミラーを実現した。これらの研究成果は、国内学会(5件)及び国際学会(3件)で発表し、査読付論文(1件)がジャーナルに掲載され、1件は査読中である。
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