2010 Fiscal Year Annual Research Report
高分解能光学系ナノ計測による細菌べん毛モーターのエネルギー入出力の同時計測
Project/Area Number |
10J02448
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
森本 雄祐 大阪大学, 大学院・生命機能研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | ナノマシン / 分子モーター / べん毛モーター / トルク発生 / ナノ計測 / 細胞内pH / エネルギー変換 / 蛍光顕微鏡 |
Research Abstract |
バクテリアのプロトン駆動型べん毛モーターは、プロトンの電気化学的ボテンシャルを力学的仕事に変換することによって回転する。本研究では、べん毛モーターのエネルギー変換の分子機構を解明することを目的とし、入力であるプロトン流の計測と出力である回転の計測を高時空間分解能で同時に行う。本年度の研究では、プロトン駆動型モーター固定子MotA/B複合体がどのようにしてモーターに組込まれてプロトン透過活性をもつようになるかを詳細に知るために、MotAおよびMotBに蛍光蛋白質をそれぞれ融合し、サルモネラ菌細胞内での局在化を解析した。MotA-mCherryをMotB欠損株で発現させたとき、回転子構成蛋白質FliGとGFPの融合蛋白質GFP-FliGと共局在した。この結果から、MotAは単独でもモーターへ組み込まれることが示唆された。また、MotAの細胞質ドメインに存在する荷電残基Arg-90は、固定子の局在化に重要であることが判明した。さらに、pH感受性蛍光蛋白質フルオリンをプローブとした2波長励起1波長測光法による高分解能pHイメージングシステムの開発を行い、べん毛モーター近傍の細胞内局所pHの計測が可能となった。また、蛍光色素TMRMを用いてサルモネラ菌シングルセルの膜電位値を測定する手法を確立した。今後は以上の結果を踏まえて、pHイメージングシステムによる局所pH測定とモーターの回転を同時計測することにより、モーターへのエネルギー入出力を詳細に解析する。
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Research Products
(8 results)