2010 Fiscal Year Annual Research Report
サブナノ秒パルス放電プラズマによる省エネルギー型気相化学反応炉の形成
Project/Area Number |
10J02548
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
松本 宇生 熊本大学, 大学院・自然科学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 放電 / パルスパワー / プラズマ / サブナノ秒パルス / オゾン / NO除去 / 5ns / 2ns |
Research Abstract |
本研究課題は,これまで我々の研究室で用いられてきた極短パルス電圧形成技術を用いて,更なる急峻な電圧の立ち上がりとサブナノ秒オーダーの出力パルス電圧を発生させる「サブナノ秒パルス電源」を開発することを目的としている。本研究課題が実現した場合には,既存の放電プラズマ形成技術と比較して,より小さなエネルギーで,より化学的活性度の高い放電プラズマを形成することが可能となり,これまでエネルギー効率の悪さから実用化が困難とされていた様々なプラズマ処理技術が一気に実用化へ進むことができるようになると考えている。以下に本年度に実施した研究内容を記す。 1.オゾン生成量の増加 リアクタ内温度の上昇がオゾン生成濃度の増加を妨げる原因であることを突き止め,電極の冷却によりオゾン生成濃度の増加を確認した。これにより,オゾン生成濃度の飽和値が40g/m^3から70g/m^3まで向上した。 2.インピーダンス整合の改善 電極形状及び印加電圧を変化させたことで整合が改善され,充電から放電へのエネルギー転送効率が15%から43%にまで向上した。現在はパルス電源の装置インピーダンスを変化させ,その影響を調査している。 3.サブナノ秒パルス電源の開発 サブナノ秒パルス電源の前身として2nsのパルス幅を有する2nsパルス電源を製作し,2nsパルス放電プラズマの特性評価を行った。本実験の結果,2nsパルス放電によるNO除去効率は,これまでの我々が実験で用いてきた5nsパルス放電プラズマの持つ世界最高のNO除去効率の約2倍もの結果を示した。また,オゾン生成実験においても,5nsパルス放電と比較して2nsパルス放電は約1.2倍のオゾン生成効率であった。
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