2011 Fiscal Year Annual Research Report
グローバル衛星画像を用いた全球都市域マッピング手法に関する研究
Project/Area Number |
10J02598
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
宮崎 浩之 東京大学, 空間情報科学研究センター, 特別研究員(PD)
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Keywords | 全球都市域マップ / ASTER衛星画像データ / 全球地球観測 / グラウンド・トゥルースデータベース / 地名辞典 / 地球観測グリッド / クラウド・ソーシング / オープンソースGIS |
Research Abstract |
近年、津波や洪水、海面上昇などの災害の被害予測や、都市拡大による自然環境や社会・経済への影響評価において、都市域観測の高分解能化の必要性の高まりが指摘されている。これらの背景を鑑み、本研究では地球観測衛星データを用いて全球の都市域を対象とした世界最高水準の分解能と精度を有する都市域マップを作成し、全球を対象に品質評価をおこない、地球環境観測に関する国際的な取り組みに貢献する形態で公開することを目指す。今年度の研究実施による成果は以下の通りである。(1)昨年度に作成した地名辞典を用いたグラウンド・トゥルースデータの教師・検証データとして妥当性を検証した結果、地理的な分布、都市の規模に対する分布ともに偏りがなく、教師・検証データとして妥当であることが認められた。また、そのグラウンド・トゥルースデータを用いて、8種の全球都市域マップの精度評価を実施し、それらの精度について特徴づけたほか、別の方法で実施された精度評価と比較することで、グラウンド・トゥルースデータの作成方法によって検出する誤分類に違いが生ずることとChance agreementが含まれる度合いに違いが生ずることを明らかにした。(2)インターネット越しに協働で作業を実施するCrowd sourcing platform(CSP)をオープンソースGISで構築し、昨年度に作成した全球都市域マップのデータ検査のアプリケーションを開発し、国内の作業者20名との協力体制のもと、本研究の全球都市域マップのデータ検査を完遂した。(3)CSPを基盤として、データ修正のためのアプリケーションを開発し、国外の作業者10名との協力体制を築き、データ修正を開始した。(4)上記の成果を国際学術誌、国際会議などで発表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
交付申請書に記載したPALSARデータを用いた都市域マッピング手法の開発については、関係する他の研究によって良好な手法が開発なされたために実施しなかった一方で、本研究課題の独自性がより強い協働型データ更新システムに関する研究に注力した結果、当初は予定しなかった本稼働を開始することができた。以上から、おおむね順調に進展していると評価する。
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Strategy for Future Research Activity |
(1)他研究によって開発されたPALSARデータを用いた都市域マッピング手法を、現行の都市域マッピングシステムに実装し、雲の影響で都市域マッピングの品質が低い地域に適用することで都市域マップの精度を向上させる。(21協働型データ更新システムによって作成されたグラウンド・トゥルースデータを用いることで都市域マップの精度を向上させる。
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Research Products
(7 results)