2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10J02767
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
佐藤 伴 千葉大学, 大学院・医学研究院, 特別研究員(DC2)
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Keywords | ラフトマイクロドメイン / 着床前胚 / スフィンゴ糖脂質 / 脂質ラフト / タイムラプス観察 / SSEA-4 |
Research Abstract |
本研究では、ライブセルイメージングによるSSEA-4の可視化を通じ、哺乳類着床前胚におけるラフト機能解明を目指す。さらに、新規抗SSEA-4(monosialylGb5Cer(MSGb5Cer))抗体6E2のin vitro及びin vivoでの発生に与える影響を検証し、SSEA-4の機能を明らかにする。今年度は、タイムラプス観察の最適条件の設定、蛍光標識糖脂質の作製、卵特異的E-cadherinノックアウト胚の作製及び父性由来E-cadherin発現の確認を行った。蛍光標識6E2でラフトを可視化し、タイムラプス顕微鏡によりラフトの動態を明らかにする。タイムラプス顕微鏡での観察条件を決定し、1細胞期から2細胞期までの第一卵割を観察した。2励起波長、3分間毎に蛍光像を15時間撮影することが可能となり、卵割時にSSEA-4が分裂溝に集積することが明らかとなった。次に蛍光標識スフィンゴ糖脂質2種類、BODIPY【○!R】FL-MSGb5Cer及び-GM1をそれぞれ作製し、HPTLC及びTLC免疫染色により非標識スフィンゴ糖脂質と同一であることを確認した。作製した蛍光標識スフィンゴ糖脂質をマウス着床前胚に導入したところ、両蛍光標識スフィンゴ糖脂質とも、抗体や毒素による染色パターンと一致した。このことから、SSEA-4(MSGb5Cer)の割球界面への集積は抗体の架橋によるものではないことが示唆された。2細胞期胚をコレステロールに結合する蛍光試薬Filipin IIIと蛍光標識6E2とで二重染色することで、SSEA-4豊富ラフトを検出できているか確認した。両者の大部分が重なっていたことから、蛍光標識6E2によってMSGb5Cer豊富脂質ラフトを可視化できていることが示唆された。次年度に解析予定である、卵特異的ノックアウト胚を作製し、父性由来のE-cadherin発現が桑実胚前期からであることを免疫染色法にて確認した。E-cadherinの影響を排除したSSEA-4の集積パターンの解析には完全に発現の認められない2細胞期胚が適していると考えられる。今後、得られた研究成果をまとめ、学術論文として投稿予定である。
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