2011 Fiscal Year Annual Research Report
ボートピープルと「他者の表象」にみるオーストラリアの多文化共生にむけた考察
Project/Area Number |
10J02887
|
Research Institution | Hitotsubashi University |
Principal Investigator |
小野塚 和人 一橋大学, 大学院・社会学研究科, 特別研究員(DC1)
|
Keywords | 移民 / グローバリゼーション / オーストラリア / モビリティ / 越境 / コスモポリタニズム / トランスナショナリズム / 辺境 |
Research Abstract |
平成23年度は、(1)先行成果の収集と検討、(2)理論的側面からの当該研究主題の考察、(3)オーストラリア国内での現地調査、(4)アメリカ合衆国プリンストン大学での在外研究を主軸とした。先行する成果の収集と理論的側面からの研究主題の考察は、さまざまな形態をとった人の移動と場所の変化に関する研究成果を国内外の学術雑誌の通事的な検討を通じて行った。ここでは、学術誌Environment and Planning Aや、Environment and Planning D:Society and SpaceならびにAmerican Journal of Sociologyを通時的に検討し、その際に発見した関連する研究成果を随時検討した。また、プリンストン大学への派遣時においてはさまざまなセミナーや研究会に出席し、自らの研究成果を報告する機会を複数得た。これは平成23年10月22日に行われたThe Mid-Atlantic Region/Association for Asian Studies Conference、そして、平成23年12月9日にプリンストン大学内において開かれたCracked Pot Research Seminarにて報告を行った。また帰国後、平成23年12月17日には「オーストラリア学会関東地域研究会」にて企画立案にも携わりつつ、これまでの成果の報告を行った。それらの成果は、「中心」とされてきている西洋と、大都市を対象とすることの少なくなった既存の社会科学的議論に対し、「辺境」や「フロンティア」とされる場を軸とし、人の移動という観点から、これまでの学術的成果をいかに発展させることが出来るかを考察したものである。また、平成24年1月29日から3月31日にかけて、クインズランド大学言語・比較文化研究学部の協力を得ながら、オーストラリア国内で調査を実行した。この他に、平成23年度は、『書評ソシオロゴス』第7号において、論文「グローバルとローカルの交錯する『場』としてのゴールドコースト-『波に乗るサムライ(Samurai in the Surf)』からの視座」を掲載することができた。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
これまでの研究計画どおり、研究協力者を獲得し、彼らの経験を共有することができている。資料収集も現地で予定通り進行しており、おおむね順調に研究が進展しているといえる。
|
Strategy for Future Research Activity |
クインズランド大学言語・比較文化研究学部から現地調査における協力を得ており、現在、客員研究員としての滞在を継続している。これまで、研究協力者を多数得ることができ、着実に蓄積が増えている状況にある。こうした聞き取り調査と、これまでに収集した資料と総合させることにより、研究の推進が期待できる。
|
Research Products
(3 results)