2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10J03018
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
佐藤 佳亮 東北大学, 大学院・農学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | オキシトシン受容体 / アデノ随伴ウイルス / 育児行動 / 社会行動 / 体温調節 |
Research Abstract |
本年度は、オキシトシン受容体(OXTR)の担う機能のうち、育児行動と体温調節に特に着目して研究を行った。 育児行動については、OXTRニューロンを可視化できるOXTR-Venusノックインマウスを用いて解析した。雌については分娩時と育児行動時、また雄については育児行動時にサンプリングを行い、OXTR発現ニューロン数の測定と、神経活性化のマーカーであるc-Fosの発現について解析した。この結果、それぞれの条件においてOXTRが発現上昇、またはOXTRニューロンが活性化する領域を明らかにした。 一方、体温調節能については、Oxtr遺伝子を発現し、ニューロン特異的に感染するアデノ随伴ウイルスベクター(AAV-Oxtr)を、Oxtr欠損マウスの脳特定領域に導入し、脳内の一部領域のみでOXTR発現を回復させたマウスを用いた。Oxtr欠損マウスについては、体温調節の中でも熱産生に以上が見出されているが、ウイルス投与マウスを寒冷曝露したところ、コントロールと比較し体温低下が有意に抑制され、欠損マウスの表現型のレスキューに成功した。このことから、体温調節にOXTRが関与する脳領域を見出した。 これらはいずれも、広範囲に渡って発現しているOXTRの、領域特異的な機能を明らかにしたものであり、OXTRの更なる機能理解とともに、OXTRの関係が疑われている疾患や、広く動物全般の性格の理解につながるものと考えている。
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Research Products
(7 results)