2012 Fiscal Year Annual Research Report
転移活性をもつ内在性レトロトランスポゾンのエピジェネティックな制御機構
Project/Area Number |
10J03057
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Research Institution | National Institute of Genetics |
Principal Investigator |
塚原 小百合 国民遺伝学研究所, 総合遺伝研究系, 特別研究員(PD)
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Keywords | レトロトランスポゾン / セントロメア / シロイヌナズナ / エピジェネティクス |
Research Abstract |
シロイヌナズナ近縁種のレトロトランスポゾンTal1は、セントロメア領域特異的に転移する。本年度は、Tal1のセントロメア領域へのターゲッティングに必要な因子を同定することを目的とし、実験を行った。具体的には、Tal1の発現を誘導できるような形質転換体に対して、EMS処理により変異を誘導した後、Tal1の発現を誘導して転移させ、Tal1がセントロメアをターゲッティングできなくなる変異体の選抜を行うことを目的とした。本年度の成果としては、スクリーニングに必要なコンストラクト、および形質転換体の作成までを行った。 <コンストラクトの作成> (1)エストロゲン誘導Tal1コード領域 EMS処理後にTal1の転移を引き起こすことができるよう、発現誘導可能なTal1コンストラクトを作成した、エストロゲン誘導のベクターにTal1のコード領域(逆転写酵素、インテグレース等転移に必要なタンパクをコードする)をつなぐ。LTR部分は含まないため、この配列自体は転移しない。 (2)Tal1 LTR領域 Tal1の内部配列(タンパクをコードする領域)を除去し、LTRとその内側数百bpのみを含む。転移に必要なタンパクをコードしないため、この配列だけでは転移できないが、タンパク存在下で転移可能。 <形質転換> 上記の2種類のコンストラクトについて、それぞれ別々に形質転換を行い、A. thalianaに導入した。このうち1種類については形質転換体を得ることができた。
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