2010 Fiscal Year Annual Research Report
英語発話に見られる「語尾上げ口調」の音響的・相互行為論的研究
Project/Area Number |
10J03130
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
久保田 ひろい 千葉大学, 大学院・融合科学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 語尾上げ口調 / 韻律情報 / 非言語情報 / 語用論 / 相互行為 / 会話分析 |
Research Abstract |
本研究では、英語発話に見られる"語尾上げ口調(High rising terminals:以下HRT)の多用の拡大という言語現象を対象とし、その機能を解明することを目的とする。 1.独話の映像資料の収集および資料へのタグ付け 今年度はまず、独話の映像資料の収集を行った。独話を対象としたのは、今後インタラクションのある対話でのHRTの機能を検討する前段階として、聞き手の反応のない状況下で行われるある程度構造化された発話においてHRTが談話構造とどのように関わりを持つのかを検証するためである。日英語での講義を収録した映像資料に加え、動画投稿サイトで公開されている比較的HRT使用者の多い映像資料を別途収集した。収集した映像資料に対し、動画編集ソフト上で、視線、動作、ジェスチャをタグ付けを行った。今後は、収集・タグ付けしたこれらの資料について、HRTの音響的特徴の検討および談話構造や非言語情報との関係性を検討し、関連分野において発表を行う予定である。 2.対外発表 日本語発話における語尾に着目した研究についても発表を行った。談話構造との関係を事例ベースで検証した研究についてはThe Japanese Society for Language Science、社会言語科学会において発表し、実験による仮説検証型の研究を認知科学会において発表した。社会言語科学会での発表が大会発表賞を受賞し,この内容を基に、現在「認知言語学論考」への寄稿を執筆中である。
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