2010 Fiscal Year Annual Research Report
超新星残骸に於ける磁場増幅機構の解明とそのガンマ線バースト放射機構への応用
Project/Area Number |
10J03369
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Research Institution | National Astronomical Observatory of Japan |
Principal Investigator |
井上 剛志 国立天文台, 理工学部, 助教
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Keywords | 超新星残骸 / 粒子加速 / 磁気流体力学 / 乱流ダイナモ / 相対論的衝撃波 / ガンマ線バースト |
Research Abstract |
星間雲を内包した一般的な星間媒質から形成される超新星残骸(SNR)の性質について研究を行った。より具体的には熱的不安定性と呼ばれる一種の相転移によって現質的星間雲を形成し、その後に衝撃波を投入したときの系の進化を大規模な3次元磁気流体力学シミュレーションによって調べた。その結果、衝撃波と高密度な星間雲の相互作用によりSNR内部に乱流が生成され、乱流に伴うダイナモ効果によって磁場が強く増幅されることが明らかとなった。この磁場増幅はSNRを起源とする宇宙線加速にとって非常に重要な役割を果たしていると考えられる。また、シミュレーションの結果から期待されるSNRの観測的特徴を解析した所、最近のガンマ線宇宙望遠鏡Fermiが明らかにした星間雲と相互作用するSNRのガンマ線スペクトルを本研究のシミュレーションは非常に良く再現し、その起源が衝撃波と高密度雲の相互作用時に形成される反射衝撃波であることが明らかとなった。同様に衝撃波の速度が光速に近い場合について相対論的磁気流体力学シミュレーションを行い、宇宙最大の爆発現象であるガンマ線バーストで必要とされる未解明の磁場増幅現象がSNRの場合と同様の磁場増幅機構で説明可能であることを明らかにした。
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[Journal Article] STAR-FORMING DENSE CLOUD CORES IN THE TeV GAMMA-RAY SNR RX J1713.7-39462010
Author(s)
H.Sano, J.Sato, H.Horachi, N.Moribe, H.Yamamoto, T.Hayakawa, K.Torii, A.Kawamura, T.Okuda, N.Mizuno, T.Onishi, H.Maezawa, T.Inoue, S.Inutsuka, T.Tanaka, H.Matsumoto, A.Mizuno, H.Ogawa, J.Stutzki, F.Bertoldi, S.Anderl, L.Bronfman, B.-C.Koo, M.G.Burton, A.O.Benz, Y.Fukui
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Journal Title
The Astrophysical Journal
Volume: 724
Pages: 59-68
Peer Reviewed
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