2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10J03401
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
山中 真仁 大阪大学, 大学院・生命機能研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 蛍光顕微鏡 / 3次元空間分解 / 超解像 / 高時間分解能 |
Research Abstract |
本研究代表者が開発した手法では、蛍光強度の飽和現象時に現れる非線形な蛍光応答を利用し、共焦点蛍光顕微鏡の空間分解能を向上させる。より高い空間分解能が実現出来れば、細胞内の微小構造の可視化やその生命現象の新たな知見が得られることが期待できる。本年度ではこれまでに開発した高解像蛍光イメージング技術のさらなる超解像化を実現させるため、超短パルスレーザーを用いた高次の非線形な蛍光応答を誘起する手法の開発に取り組んだ。超短パルスレーザーのピーク強度は高いため、蛍光強度の飽和現象を効率的に誘起でき、高い非線形応答が得られる。非線形な蛍光応答を誘起する最適な条件を探るため、超短パルスレーザーのパルス幅の調整機構および繰り返し周波数を制御する機構の設計、構築を行った。 また、本研究の超解像技術の高速化に取り組んだ。蛍光イメージングの高速化を行えば、細胞の生命現象の高時間分解観察が可能になるだけではなく、細胞への光毒性の抑制などの効果が期待できる。本年度では、これまで開発した超解像技術におけるレーザー走査の並列化を可能にする光学系の設計、構築に取り組んだ。この並列化にはマイクロレンズアレイ技術を利用した。 上記の2点以外にも、本年度には槌色しない新規蛍光標識である蛍光ダイヤモンドが開発した超解像顕微鏡用の蛍光標識として使用できることを理論的、実験的に示した。蛍光ダイヤモンドを用いた実験では、本研究で開発した超解像顕微鏡で得られる点像分布関数を実験的に示すことに成功している。また、2光子顕微鏡の高解像化にも本手法が有効であることを実験的に示した。
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