2010 Fiscal Year Annual Research Report
新規プレニル基転移酵素の機能解析と有用化合物創製への応用
Project/Area Number |
10J03411
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
尾崎 太郎 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 特別研究員(DC1)
|
Keywords | プレニル化 / フェナジン / 生合成 / 放線菌 / プレニル基転移酵素 / フラビン依存型酸化酵素 / 抗腫瘍活性 |
Research Abstract |
フェナジンの窒素原子のプレニル化機構の解明を目的として、抗腫瘍化合物ラバンドシアニン(LAV)の生合成研究を行った。LAV生産菌Streptomyces sp.CL190(以下CL190株)のゲノム配列に対し、既知のプレニル基転移酵素(PTase)の配列を用いてBLAST検索を行い、候補遺伝子を見出した。この遺伝子をCL190株のゲノム上で破壊すると、LAV生産能を失い、プレニル基を持たないフェナジン-1-カルボン酸(PCA)が蓄積するようになった。さらに、破壊株培養液にPTaseの組換え酵素とジメチルアリルニリン酸を添加すると、LAVの生産が回復したため、このPTaseがLAVの生合成に関与することが明らかになった。組換え酵素を添加した際にはLAVに加えて、フェナジンのジメチルアリル化体も蓄積したことから、このPTaseはPCAのジメチルアリル化を触媒すると予想された。In vitroの実験から、CL190株の持つフラビン依存型酸化酵素PhzSとPTaseを同時に作用させると、PCAのプレニル化、脱炭酸、カルボニル形成が進行することが判明した。類似の反応はフェナジンの窒素原子にメチル基を持つPyocyaninの生合成に見出され、メチル基転移酵素(MTase)とPhzSが、協調して作用してPCAのメチル化、脱炭酸、カルボニル形成を触媒する。本研究によって、相同性のないPTaseとMTaseがともにPhzSと協調して作用し、フェナジンの窒素原子の修飾反応を触媒することが明らかになった。これを応用することで、フェナジンの窒素原子に様々な置換基を持つ誘導体の合成が可能になると期待される。また、放線菌の生産するプレニル化インドールの生合成研究も行い、結果としてトリプトファンをインドール-3-アセタルドキシムに変換するフラビン依存型酸化酵素SCO7468を同定することができた。
|
-
[Journal Article] Production of Novel Antioxidative Prenyl Naphthalene-ols by Combinatorial Bioconversion with Dioxygenase PhnA1A2A3A4 and Prenyltransferase NphB or SCO71902011
Author(s)
Shindo K., Tachibana A., Tanaka A., Toba S., Yuki E., Ozaki T., kumano T., Nishiyama M., Misawa N., kuzuyama T.
-
Journal Title
Bioscience, Biorhechnology, and Biochemistry
Volume: 75(3)
Pages: 505-510
Peer Reviewed
-
-
-
-
-