2010 Fiscal Year Annual Research Report
平衡/非平衡プラズマを併用した超音速流における着火・燃焼促進技術の開発
Project/Area Number |
10J03415
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
松原 慶典 東北大学, 大学院・工学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | プラズマ / 着火促進 / スクラムジェット / 超音速燃焼 |
Research Abstract |
1年目である平成22年度には,計画通り、「課題(1)非平衡プラズマ発生手法の確立」および「課題(2)平衡/非平衡プラズマを併用した着火・燃焼促進手法の確立」に取り組んだ.課題(1)に関しては,年度の前半に非平衡プラズマ発生手法を確立した.非平衡プラズマの発生には誘電体バリア放電を用い,点火器として用いるために重要ではあるがこれまで明らかになっていなかった超音速流中での放電特性を放電電力の測定や分光計測により調べ,特に重要な結果として以下の3点を明らかにした. ・主流マッハ数が大きいほど小さい印加電圧でプラズマが発生する ・いずれの主流マッハ数においても,印加電圧が大きいほど放電電力は大きくなる ・プラズマには窒素ラジカルや窒素分子イオン,酸素ラジカルが存在する 課題(2)に関して,実際の着火・燃焼実験を行う前にその条件を絞るため,燃料の供給方法と非平衡プラズマの着火促進効果の関係を数値計算により調べた.計算手法はプリンストン大学のグループとの共同研究による成果から得られたもので,電子ボルツマン方程式解析の汎用ソフトBolsig+と燃焼解析コードSENKINを併用した独自の手法である.解析対象とした燃料は,プラズマに含まれるラジカル等の活性種の添加による着火促進効果が高級炭化水素より大きいことが知られているメタンである.この解析により,メタンと空気を予め混合したものを非平衡プラズマ化するよりもメタン燃料のみを非平衡プラズマ化する方がより大きな着火促進効果が期待できることが明らかとなった.2年目は1年目の結果を踏まえ着火・燃焼実験を行い手法を確立させ,「課題(3)分光計測,レーザ計測による着火過程および火炎形成伝播過程の解明」にも取り組む予定である.また,数値計算も引き続き行い,実験と計算の両面からの現象の解明を目指す.
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Research Products
(5 results)