2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10J03624
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
石井 啓一 東北大学, 大学院・工学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 核融合 / 炉心プラズマ / 磁場閉じ込め / 密度崩壊 / 高周波揺動 / 径電場 / 電極バイアス / ELM |
Research Abstract |
本年度は東北大学ヘリアック装置(TU-Heliac)において熱陰極バイアス実験を行い、密度崩壊現象における径電場の影響を調査した。TU-Heliacではプラズマ中に挿引した熱陰極をバイアスすることにより、閉じ込め改善モードに遷移させることができる。閉じ込め改善モード遷移後には径電場の形成や中心部で急峻な圧力勾配が観測され、同時に最大400kHz程度の高周波揺動を伴った密度崩壊が確認されている。これまでに密度崩壊の直前に径電場が低下することが観測されていることから、密度崩壊現象における径電場の影響について着目し、熱陰極の電極電流を制御することにより径電場を能動的に変化させる実験を行った。電極電流を減少させ、プラズマ中に形成される径電場の大きさを減少させると、閉じ込め改善モードから閉じ込め劣化モードに遷移した後にも密度崩壊が発生していることが明らかになった。また、ある電極電流値を境として密度崩壊が観測されなくなることから、上記電流値付近のプラズマパラーメタを調べることにより、密度崩壊のトリガーとなる物理量ならびに閾値を同定することが期待できる。 また、大型のトカマク装置ではHモード遷移後に周辺局在化モード(ELM)とよばれる密度崩壊現象が観測されている。ELMはプラズマ周辺部の急峻な圧力勾配が形成される位置において発生しており、TU-Heliacにおいて観測されている密度崩壊現象との比較を検討している。ELMと比較を行うため、JT-60Uトカマク装置に設置された中性子プロファイルモニタの自動解析化プログラムを開発し、その成果を学会にて発表した。
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