2010 Fiscal Year Annual Research Report
Peer-to-Peer (P2P)ネットワークでの柔軟な合意プロトコルの研究
Project/Area Number |
10J03732
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Research Institution | Seikei University |
Principal Investigator |
艾力西尓 艾克拜尓 成蹊大学, 理工学研究科, 特別研究員(PD)
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Keywords | 合意プロトコル / 分散システム / P2Pシステム / 信用可能性 / 大規模システム / ブロードキャスト |
Research Abstract |
本研究では、P2Pオーバーレイ・ネットワーク上の大規模なピアグループでの柔軟でかつ有効な合意プロトコルを研究している。今年度は、年次計画に基づいて、ピアの取り得る値間の関係を示す存在先行関係と、ピア間で定義域、存在先行関係が異なっている異種システムでの合意プロトコルの研究を行った。特に、ピア間の信用可能性(Trustworthiness)についての研究を行い、これに基づいたピア間の有効な通信プロトコルを研究した。 合意プロトコルでは、各ピアが合意希望の値を他の全てのピアに配送せねばならない。このメッセージ配送をネットワーク内でいかに有効に行うかが重要な課題となる。従来の拡散(flooding)方式では、メッセージがピアから隣接ピアに次々に転送される。このため、ネットワーク内で通信されるメッセージ数が爆発的に増加する問題点があった。このため、メッセージを全てのピアに有効に配送するためのプロトコルとして、TBB(Trustworthiness-based broadcast)プロトコルを新たに考案し、設計を行った。ここでは、メッセージを受信したピアの中で、信用可能性の高いピアのみがメッセージを隣接ピアに転送するものである。これにより、全てのピアがメッセージを隣接ピアに転送しなくなるために、ネットワーク内のメッセージ数を減少できる。また、メッセージを転送できなくなる故障ピアがあっても、このピアはメッセージを転送する必要がないために、ピアの故障の影響受けにくくなる。ピア数(n)が10,000個のシステムを考えシミュレーションにより、TBBプロトコルの評価を行い、従来の拡散方式に対して、ネットワーク内で送信されるメッセージ数を22%減少できること示した。また、ピアの故障に対して、全てピアにメッセージを配送できる率を高めることができた。
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Research Products
(8 results)