2010 Fiscal Year Annual Research Report
集積の動学的外部性と地域経済の成長に関する実証分析
Project/Area Number |
10J03832
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
山田 恵里 名古屋大学, 大学院・経済学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 地域経済 / 産業集積 / 動学的外部性 / 成長クラスター / 技術的近接性 / 探索的データ分析(ESDA) |
Research Abstract |
本研究は,地域経済における産業集積から生じる外部性,特に都市形成と時間継続的な成長過程を説明する動学的外部性の波及効果がどのように成長パターンを決定付けるのかを定量的に分析することを目的とする。 平成22年度は地域産業における集積と成長の分布について検証した。1986~2006年の名古屋都市圏における製造業(中分類部門)従業者を対象とし,産業集積に伴う動学的外部性と地域経済の成長に関する実証分析を行った。地域産業の成長は従業地ベースでの従業者数の成長率によって捉えることとした。地域産業の集積と成長の波及する空間の近接性に着目し,探索的空間データ分析(ESDA)を応用することで地域産業の成長クラスターを検出した。地域産業間における空間の近接性は,地域間における地理的近接性と産業間における技術的(経済的)近接性の二つの空間を用いて構築する,従来にはなかった複合的な空間の近接性により表現した。 その結果,既存研究で考慮されていた地理的な空間に加えて技術的な空間を同時に考慮する複合的な空間の近接性を用いる分析の方がより鮮明に地域全体分析でもローカル分析においても有意に地域産業の成長クラスターが検出された。 平成22年度研究の成果として,「7.研究発表」に示すように報告論文は(1)学術雑誌『産業連関-イノベーション&I-Oテクニークー』へ投稿,査読審査中,および(2)国際学会3回,国内学会2回で発表が挙げられる。
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