2010 Fiscal Year Annual Research Report
Stokes方程式におけるHadamard変分公式について
Project/Area Number |
10J03833
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
牛越 惠理佳 東北大学, 大学院・理学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | Stokes方程式 / Hadamard変分公式 |
Research Abstract |
領域の体積を保存した摂動のもと、ディリクレ境界条件を課したStokes方程式に対するHadamard変分公式を導出することを目標に研究を行った。本研究においては、まずは2次元の場合を、そしてそれを含む形で高次元に拡張したものを結果としてまとめた。しかし、その証明には不都合な点があることが明らかになった。それを克服するために、滑らかな領域摂動に対して、Stokes方程式も滑らかに摂動する、ということを証明する必要性があることが明らかになった。実際、Green函数を構成する補正項が、領域摂動に応じて、ある程度滑らかであることを仮定すれば、同様の結果は得られた。 しかし、得られた定理に仮定を付け加えることなく、厳密な証明を与えるには、補正項の滑らかさに関する命題を証明するこが求められ、現在は、その命題の証明に取り組んでいる状況である。 Hadamard変分公式は、領域摂動問題において基本的かつ重要な立場である。流体力学において、このStokes方程式に対するHadamard変分公式の応用について言及するためには、先述の仮定を課すことなく、変分公式を得ることが重要であるといえる。
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