2011 Fiscal Year Annual Research Report
Stokes方程式におけるHadamard変分公式について
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10J03833
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
牛越 惠理佳 東北大学, 大学院・理学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | Stokes方程式 / Hadamard変分公式 |
Research Abstract |
ディリクレ境界条件を課したStokes方程式のHadamard変分公式を導出をすることを目的に研究を行ってきており、これに成功した。すなわち、体積を保存する領域摂動をあたえたときの、Stokes方程式の速度場に対するGreen函数のHadamard変分公式を、厳密な証明をもって導出することができた。以後、この結果を土台とした応用が求められることが考えられる。従ってHadamard変分公式の応用について視野を広げるべく、国内研究集会や国際研究集会に積極的に参加し、そして、得られた結果について、他の研究者と議論を重ねてきた。それにより、今後のHadamard変分公式に対する偏微分方程式への応用に対する知見を深められることができた。 またそれだけではなく、得られた証明をより簡潔なものに改良できないかと、さらに研究を遂行してきた。結果、先に得たStokes方程式の速度場に対する変分公式を得るより、簡潔な方法を確立し、さらに、Stokes方程式の圧力に対するHadamard変分公式をも得ることに成功した。これは、Stokes方程式を支配する未知函数速度場と圧力、双方のグリーン函数に対するHadamard変分公式を同時に得られる、新しい証明を与えたという意味で大変意義深い。 この得られた結果から物理学への応用を見出すことが重要である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
ディリクレ境界条件を課したStokes方程式の速度場に対するHadamard変分公式に対する厳密な証明を与えることを研究目的として掲げていたが、現在までそれに成功し、さらにそこから証明をより簡潔にし、圧力に対する変分公式を得るのに成功しているから。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究課題の今後の目的は、これまでで得られたStokes方程式に対するHadamard変分公式の応用を模索することである。そのためには、既存の結果であるラプラス方程式などの応用について考察し、それがどこまでStokes方程式へ適用できるかを考える必要性がある。
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