2012 Fiscal Year Annual Research Report
夫婦間葛藤と子どもの精神的健康との関連における保護因子の検討
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10J03980
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
小林 亜紀子 千葉大学, 教養学部, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2010 – 2013-03-31
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Keywords | 夫婦関係 / 発達精神病理学 / 幼児 / 問題行動 |
Research Abstract |
子どもの精神的健康の問題の背後に夫婦関係の問題,特に夫婦間葛藤の存在することをこれまでの研究によって明らかにしてきたが(川島,2008),より効果的な臨床実践への応用のため,本研究では,両親の夫婦間葛藤と子どもの精神的健康上の問題との関連メカニズムを,発達精神病理学的観点から検証することを目的としている。夫婦間の葛藤と親子間コミュニケーションとの関連について,検討を行うため,質問紙調査および親子間コミュニケーションの観察法を用い,縦断的な検討を行うことで,幼児の精神的健康に対する夫婦関係の問題の影響と,保護因子について検討することを目的としている。 平成24年度は,(1)幼児の精神的健康上の問題発生に関連する夫婦間葛藤の問題とそれに対する保護因子に関する基本的仮説に基づき,(2)関連要因を調査するための親子間コミュニケーション観察を実施,評定を行った(21家庭分)。さらに,(3)夫婦間葛藤の実態を明らかにするため,「Yahoo!知恵袋」 に寄せられた自由記述の分析を行った。(4)平成22年度から行っている縦断的調査の経過を9月に国内学会にて発表し,(5)観察調査の結果を国際学会において発表した(平成25年4月)。(6)さらに,3時点目の質問紙調査を実施し(3月),13家庭に観察調査を行い,親子三者のコミュニケーションにおける子どもの生理学的反応について検討を行う。今後,これらのデータを用い,さらに洗練された保護因子を明らかにするモデルを検証し,本研究結果を国内外に向けて発信していく予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
国外研究者との調整が難航している点があり,やや遅れ気味である。
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Strategy for Future Research Activity |
効率的なデータ収集のため,研究協力者を増やして対応していく予定である。
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