2010 Fiscal Year Annual Research Report
固体および液体燃料表面上でのマイクロフレームの燃え広がり
Project/Area Number |
10J04074
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
松岡 常吉 北海道大学, 大学院・工学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 燃え広がり / マイクロフレーム / 火炎長さ / 微小重力火炎 |
Research Abstract |
近年、噴流拡散火炎ではレイノルズ数が100以下かつフルード数が1よりも大きい条件では、マイクロフレームと呼ばれる浮力の影響の小さい球状の火炎が得られることが知られており、微小重力火炎に代わるものとして期待されている。一般に燃え広がりでは燃焼領域外縁部に酸化剤となる空気が存在するため火炎長さは理論上無限となる。そのため、マイクロフレームが燃え広がる現象についての研究は報告されていなかった。しかし、管内燃え広がりでは燃料壁面によって空気が流入しないため火炎長さは有限となり、火炎長さを考えることができる。本研究では管内を燃え広がる火炎の長さを定義することで、マイクロフレームの燃え広がりを観察することを目的とする。マイクロフレームの動的観察より、その消炎限界や安定性についての燃焼学的な知見が得られることが期待される。 今年度はレイノルズ数やフルード数など拡散火炎の燃焼現象を支配する無次元数が火炎長さにおよぼす影響を実験的に調べた。その結果、管内を燃え広がる火炎の長さはレイノルズ数に対して一次関数的に比例することが明らかとなった。また、燃焼場のフルード数条件を変えて行った実験から、浮力支配となる領域では燃え広がりの火炎長さは噴流拡散火炎の場合と同様フルード数の累乗で見積もることができ、浮力支配となる限界フルード数はレイノルズ数に依存することがわかった。本研究ではフルード数が1よりも小さい条件であってもマイクロフレームが観察されたことから、噴流拡散火炎と燃え広がりではマイクロフレームとなる条件が異なる可能性があることがわかった。
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