2010 Fiscal Year Annual Research Report
2次元導波構造を用いたテラヘルツ帯電磁波面制御の研究
Project/Area Number |
10J04238
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
門内 靖明 東京大学, 大学院・情報理工学系研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | テラヘルツ波 / フェーズドアレイ / アンテナ / 導波路 |
Research Abstract |
当初の研究計画では、研究代表者が提案している電磁波面制御技術を、最終目標であるテラヘルツ帯から始めるのではなく、より周波数が低くて実験が容易なマイクロ波帯(GHz帯)において取り組むする予定であった。しかし、研究代表者は当該年度途中にテラペルツ帯での実現を可能にする新たなアイデアを提案し、それに向けて独カッセル大学および独マールブルク大学の協力を得たため、研究計画を発展的に変更した。 そもそも本研究の基本的な着想は、フェーズドアレイに必要な2つの機能、すなわち位相遅延素子とアンテナアレイを、導波路表面に分布するパターン可変な散乱体アレイによって一度に実現するというものであった。各散乱体はその配置パターンに応じた位相遅延分布によってエバネセント波を散乱していくため、配置パターンを可変にすることで異なる位相の散乱波が合成されて指向性や焦点を制御することができる。これにより、既存の電子デバイスが十分高速に動作することができないような100GHzを超える高い周波数帯に対してもフェーズドアレイを実現することが可能になると考えられる。 新たに提案した構造は、具体的には全長が10cm程度の金属導波路を用意し、その表面にマイクロマシニング技術を用いて多数形成された微細な金属片を静電気力によって駆動するというものである。これによって、金属表面を伝搬するテラヘルツ帯エバネセント波を望みの位相差分布で散乱することが可能になると考えられる。研究代表者は当該年度中に独カッセル大学に渡航してデバイスの試作に取り掛かった。そして金属片の自己張力の制御や、犠牲層エッチング後のスティッキングの問題など、作製上解決すべき技術的課題が明確になった。
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Research Products
(4 results)