2010 Fiscal Year Annual Research Report
視覚情報処理メカニズムの知覚的・感性的基盤~錯視図形の検討を通して~
Project/Area Number |
10J04251
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
銭 コン 九州大学, 大学院・人間環境学研究院, 特別研究員(DC2)
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Keywords | きらめき格子錯視 / 視覚情報処理 / 方位選択 |
Research Abstract |
本年度の研究では、「知覚」の側面から格子型錯視を検討し、錯視の生起メカニズムを特定するように研究を行った。錯視現象に着目して視覚情報処理メカニズムを解明することによって、下記の2つの面から研究を実施した。 (1)格子型錯視の生起メカニズムの特定 格子型錯視は典型的錯視現象の一種であり、視覚情報処理に関わる研究の素材として多くの研究者に検討された。然し、この錯視の生起メカニズムは現在までまだ特定されていない。本研究は方位情報の処理に着目し、生起メカニズムを検討する。まず、方位情報量を変化し、「きらめき棒錯視」の現象を確認し、錯視の強度と特徴を実験で考察し、その成果を第3回アジア太平洋視覚学会で発表した。なお、きらめき棒錯視を両眼分離提示する場合は、オリジナルのきらめき格子錯視に復元できるか否かに着目し、両眼視の実験を行い、その成果を第33回欧州視覚学会で発表した。そして、方位情報処理のメカニズムを特定するため、分断された短いバーを導入し、バーの長さと位置ずれによる錯視の強度変化を検討した。その成果を日本基礎心理学会第29回大会で発表し、英文論文を作成した。4月に英文学術雑誌に投稿する予定である。 以上の研究に基づいて、格子型錯視は初期視覚野において生起することを特定した。特に、その領野にある方位選択性細胞(例えば、S1単純型細胞)が錯視の生起に大いに貢献することを明らかにした。 (2)他の錯視現象についての検討 本年度は、格子型錯視のみならず、新しい錯視現象についても積極的に検討した。格子型錯視の共同研究で「Jaggy diamond illusion」を発見し、第二著者として英文学術雑誌Perceptionに掲載し、国際視覚学会のDemo Nightで発表した。なお、「羽ばたく箸の翼錯視」という新しい錯視現象を発見し、日本基礎心理学会主催の錯視コンテストで入賞した。
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Research Products
(8 results)
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[Presentation] Scintillating bar illusion2010
Author(s)
Qian, K., Kawabe, T., Yamada Y., Miura, K.
Organizer
The 3rd Asia-Pacific Conference on Vision
Place of Presentation
National Taiwan University, Taipei.
Year and Date
2010-07-24
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