2010 Fiscal Year Annual Research Report
「母」として生きることー北インドの巡礼空間における女性修行者の日常的ケアを中心に
Project/Area Number |
10J04323
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
濱谷 真理子 京都大学, アジア・アフリカ地域研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 宗教 / ジェンダー / 地域研究 |
Research Abstract |
本年度は、これまでの研究成果をまとめた投稿論文の執筆、セミナーや学会での発表、及び今後の長期フィールドワークに向けての文献調査やビザ取得などの事務手続き・準備を行った。 ひとつめの論文(研究ノート)では、先行研究レビューを綿密に行ったうえで問題を提起し、フィールド調査で得られた事例を考察することで、女性出家者サードヴィーをめぐる師弟関係が、奉仕実践を通じていかに形成されるかを検討した。現在投稿済み査読中の論文では、女性出家者の母性をテーマに、研究ノートで素描した女性出家者をめぐる多様な社会関係の生成過程について、「母と子」の関係性により焦点を当てて考察を深めた。これらによって、今後の民族誌・博士論文執筆のための理論的基盤を構築するとともに、学術会に向けて問題提起をすることができた。 2011年2月から3月にかけての渡航では、調査地選定のための予備調査を行い、本調査に向けての準備を行った。今後は、投稿論文の英語版の執筆・投稿、博士論文構想の作成、及び7月から北インド・ウッタラーカンド州アルモーラー地区を拠点として、女性出家者の民族誌作成に向けてフィールドワークを実施する予定である。
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