2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10J04341
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
小松 紀子 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 特別研究員(PD)
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Keywords | 関節リウマチ / 制御性T細胞 |
Research Abstract |
制御性T細胞は過剰な免疫応答や自己免疫の抑制に必須の細胞であり、転写因子Foxp3はTregの発生・分化、抑制機能の発現に必須なマスター遺伝子である。様々な関節炎モデルマウスにおいてTregなどの炎症抑制細胞とTh17などの炎症促進細胞のバランスの制御の重要性が示唆されており、これを視野に入れたT細胞免疫の制御法の確立が急務である。本年度では、関節リウマチを発症した関節から単離したさまざまな種類の関節構成細胞とT細胞のサブセットを試験管内で共培養を行い、T細胞分化への影響を検討した。また、生体内での評価系が確立したため、今後検討を行う予定である。 さらに、Foxp3の発現、細胞数の制御の分子機構の解明はTregの生体内恒常性の理解で重要である。T細胞特異的にSTIM1,2を欠損したマウスでは野生型マウスと比べ、Foxp3+Tregの細胞数が減少するが、Foxp3+Tregの発生、増殖、生存のどの段階でSTIM分子が機能しているか不明であった。発生過程における重要性を検討するため、生後3日目のマウスの胸腺を用いてFoxp3、CD25、Ki-67、Bcl2の発現を解析したところ、(1)生後3日後のマウス胸腺でもKOマウスにおいてFoxp3+CD4+CD8-の細胞数の減少が認められ、(2)KOマウス由来のFoxp3+TregではCD25,Bcl2の発現及びKi-67陽性細胞の割合が野生型マウスに比べ有意に低い一方で、(3)Tregの前駆細胞と考えられているFoxp3-CD25hiCD4+CD8-細胞は正常数存在していた。以上によりTregの胸腺内での発生にSTIM1,2は重要であり、KOマウスにおけるFoxp3+Tregの減少は、Foxp3の発現やIL-2シグナル障害によるFoxp3+Tregの増殖や生存の抑制が関与することが示唆された。今後Foxp3ノックインマウスやFoxp3特異的にSTIMを欠損させたマウスを用いてSTIMのTregにおける役割を詳細に検討する予定である。
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