2011 Fiscal Year Annual Research Report
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10J04341
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
小松 紀子 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 特別研究員(PD)
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Keywords | 関節リウマチ / 制御性T細胞 |
Research Abstract |
関節リウマチは全人口の1%が罹患する炎症性骨疾患である。発症機序は未だ不明な点が多いが、近年T細胞を標的とした治療法の有効性が報告されており、T細胞の重要性が広く認識されつつある。T細胞には、免疫応答を抑制する制御性T細胞等のサブセットと、免疫応答を促進するサブセットに分けられる。本年度では、制御性T細胞と考えられてきた細胞集団の一部が、炎症を促進させる細胞に転換することを見出した。また、この細胞は滑膜細胞との相互作用により、骨破壊を引き起こす細胞である、破骨細胞の分化を促進することをin vitroにおいて見出した。今後この詳細なメカニズムについて検討する予定である。この知見はT細胞免疫の理解に基づいた治療法の確立に貢献すると考えられる。 制御性T細胞はT細胞特異的にSTIM1,2を欠損したマウスでは細胞数が減少するが、STIMの機能の詳細は不明であった。本年度ではFoxp3ノックインマウスとT特異的にSTIMを欠損させたマウスを交配し、STIM欠損の制御性T細胞を単離できる実験系を確立した。このマウスを利用することで、IL-2シグナルの持続的な活性化により制御性T細胞の細胞数は回復するが、抑制機能は回復しないことを見出した。したがってSTIM分子の機能のひとつとして制御性T細胞の抑制機能関連分子の発現を制御が考えられる。この知見は制御性T細胞の抑制機能のメカニズムの解明に貢献すると考えられる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
充実した研究環境にも恵まれ、研究を推進した結果、関節リウマチにおけるT細胞と間葉系細胞の相互作用における新規知見が得られたと考えられるため。
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Strategy for Future Research Activity |
交配による新規マウスの作成と細胞分取機器、蛍光顕微鏡などの研究機器の活用を精力的に行い、今後の研究を進展させる。
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