2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10J04593
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
工藤 瞳 京都大学, 教育学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | ペルー / 働く子ども / 児童労働 / 基礎教育 |
Research Abstract |
本研究全体としては、ペルーにおける児童労働擁護の運動がどのような思想の下に生まれ、政策とかかわり、変化・持続してきたかを明らかにすることを目的としている。その中で、平成22年度は特に児童労働擁護の運動、すなわち子どもの働く権利を主張するペルーの運動体(MANTHOC)が展開する学校教育活動やその教育政策上の扱いに焦点を当てて研究を行った。 研究成果の公表は、6月の日本比較教育学会大会における口頭発表「ペルーにおけるオルタナティブ基礎教育の政策的特質」、『京都大学大学院教育学研究科紀要』第57号(2011年4月刊行予定)における論文「ペルーにおける2003年総合教育法の制定経緯と意義」として行った。これらは、MANTHOCが展開する学校がペルーの2003年の教育法において定められたオルタナティブ基礎教育という領域に含まれたことと関連する。子どもの働く権利を主張する運動体が展開する学校が教育制度内に認知されているという点は、働く子どもに関する政府や社会の捉え方を今後考察する上で重要となる。 以上のような教育政策上の研究を踏まえ、2010年11月から12月にかけて約1カ月間ペルーにおいて渡航調査を実施した。現地ではMANTHOCに継続的に関与するクシアノビッチ師や、子どもを支援する協力者らへのインタビューを行い、MANTHOCが展開する学校を2校見学した。加えて、カトリカ大学やペルー問題研究所(IEP)、教育省のオルタナティブ基礎教育オフィスなどにおいて資料を収集した。平成23年度は前年度の研究をさらに発展させ、現地調査において働く子どもの運動およびその教育活動をより詳細に観察する予定である。
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Research Products
(2 results)