2010 Fiscal Year Annual Research Report
他者の行為表象による自己の課題遂行への影響に関する研究
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10J04948
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| Research Institution | Sophia University |
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Principal Investigator |
西村 聡生 上智大学, 総合人間科学部, 特別研究員(PD)
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| Keywords | 実験心理学 / 認知心理学 / 行為と認知 / 指差し / 自己と他者 / 刺激反応適合性 / 模倣 |
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| Research Abstract |
以下の4つの研究を行い、他者の行為に関する事象の知覚が自己の行動に及ぼす影響および自身の構え・行為と他者の構え・行為の表象の異同についての研究成果を得た。1)他者の指差し行為を示す社会的刺激が呈示された場合、それが自身の課題遂行とは関係ない場合でも、両手を用いた左右位置での行動にその指差し方向と手の同一性が同時に独立して影響を与えることを示した。人差し指での指差しで小指での指差しよりも指差し方向の影響が強く、これは他者の意図により自己の課題遂行が影響されることを示す。一方、他者の指差しと自身の反応行為との同一性に基づく他者の行動そのものの模倣的影響は、手の同一性に基づき生じ指の同一性は影響しないこと、および自身の手の制御が弱い場合には生じるが強い場合にはむしろ抑制されることを明らかにした。2)課題には無関係な聴覚刺激が呈示された場合にも、音の空間情報と音そのものが持つ情報が相互に独立しながら同時に、左右での反応行動に自動的に影響を与えることを明らかにした。また一方で、聴覚刺激が消失する場合と視覚刺激が消失する場合とでは異なる影響を課題遂行に及ぼすことを示した。3)自己の行為表象が自身の課題遂行に影響を与えるメカニズムについて明らかにし、他者の行為表象が自身の知覚および行為に及ぼす影響の特性を明らかにするための新たな研究パラダイムの開発の端緒を得た。4)行為表象と知覚表象の相互作用および課題遂行に多大な影響を及ぼす心的構えと反応選択の神経基盤について、前部帯状皮質・内側前頭皮質および運動前野などを中心とした神経活動の基礎的特性を明らかにし、今後他者の構えと行為に関連する神経基盤を検討する際の比較の基準を確立した。
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