2010 Fiscal Year Annual Research Report
高次元アーベル商特異点に対するクレパント特異点解消について
Project/Area Number |
10J05000
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
佐藤 宏平 首都大学東京, 理工学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | トーリック多様体 / 端末的特異点 / 複素3次元 / クレパント特異点解消 |
Research Abstract |
本年度の研究としては、ある3次元トーリック超曲面特異点に対けるクレパント特異点解消の構成についての研究を中心に行った。現在まで知られている3次元商特異点のクレパント特異点解消の構成についての結果の中で、T.Bridgeland,A.King,M.Reidによる論文の中で示された『Mを滑らかな3次元複素多様体で標準束が局所自明なものとし、またGをM上の有限自己同型群としたとき、G-Hilb Mは商特異点M/Gのクレパント特異点解消を与える』という定理が最も一般的なものである。また上記の論文の中で、3次元商特異点M/Gに対して、導来圏を使ったマッカイ対応が示された。この結果に対して、更にどの程度一般化できるかを考える為、まず、Mが特異点を持つ場合に商特異点M/Gがどの程度クレパント特異点解消があるか?を調べた。 本年度の研究では、Mが3次元トーリック端末的特異点の場合について調べた。この際に、Gは対角的な作用を仮定した。その結果、以下の定理を得た。 定理1 Mを端末的特異点を持つ3次元アフィントーリック多様体とし、GをGL(n,C)の有限部分群でMに対角的に忠実に作用するものとする。このとき、超曲面商特異点M/Gがクレパント特異点解消を持つことと、以下は同値条件である。MはSpec(C[x,y,z,w]/(xz-ym))で、Gは次のどちらか一つの元で生成される。 但し、εは1の原始r乗根とする。 また、M/Gをクレパント特異点解消とすると・オイラー数x(M/σ)は2アである。 当初、予定していたnが4以上の場合についてC^n/G(GはSLL(n,C)の小型な有限部分群)についてのクレパント特異点解消についての研究も同時並行して行っているが、著しい結果は得られていない。
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