2011 Fiscal Year Annual Research Report
家族性もやもや病の分子発症機構の解明および一次予防の確立
Project/Area Number |
10J05192
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
小林 果 京都大学, 医学研究科, 特別研究員(PD)
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Keywords | もやもや病 / 脳血管疾患 / 遺伝解析 / mysterin |
Research Abstract |
本研究課題ではではもやもや病の多発家系を用いて家族性もやもや病の責任遺伝子を特定すること、また同時に細胞生物学的解析と遺伝子改変動物の作成により遺伝子の機能を明らかにすることで発症機構の解明も行うことを目的とする。さらに特定した遺伝子について国際的な遺伝疫学研究を行い、遺伝予検査法を確立する。 東アジアにおいてもやもや病との強い相関が認められたRaptor遺伝子のrare variant、ss161110142(Environ Health Prev Med. 2010)周辺領域を対象にBACクローンを用いた全塩基配列で変異探索を行い、また次世代シーケンサーによる全遺伝子エクソンの塩基配列決定も併せて実施し、mysterin遺伝子(RNF213遺伝子、データベースとのORFの違いにより我々が命名)をもやもや病の感受性遺伝子として同定した(PLoS ONE, 2011)。生化学的な解析によりmysterinがATPase活性およびユビキチン化活性を同時にもつ、非常にユニークなE3リガーゼであることを証明した(PLoS ONE, 2011)。さらにノックアウトゼブラフィッシュモデルを用いて、mysterinが特に頭部における血管新生に重要な役割を果たすことを明らかにした(PLoS ONE, 2011)。日本、韓国、中国を対象に東アジアのもやもや病患者に共通する多型(p.R4810K)について一般人口における頻度を検討した結果、日本および韓国では人口の約3%、中国では0.4%が遺伝子キャリアーあることを見出し、東アジアにおけるキャリアーの人数は1千500万人と推測された。もやもや病はp.R4810Kを持つうちの300人に1人が発症することから、およそ5万人のもやもや病患者が東アジアに存在すると考えられる(Neurologia medico-chirurgica,in press)。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
もやもや病の感受性遺伝子を同定し、機能解析により血管新生に重要な役割を果たすことを明らかにした。また東アジアにおける遺伝疫学で、見出した創始者多型の患者および対照群における頻度を明らかにした。
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Strategy for Future Research Activity |
現在はmysterinノックアウトマウスの作成を行っており、脳血管形成を中心に形質の評価を行う。またmysteinと相互作用する分子およびそのパスウェイについても解析を行う。また日本人もやもや病患者から採取した皮膚組織よりiPS細胞の作成を進めている。作成したiPS細胞は血管内皮および平滑筋細胞に分化させ解析を行うことで、もやもや病の病態解明に寄与する。
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Research Products
(10 results)