2011 Fiscal Year Annual Research Report
糖鎖連結光線力学療法用光増感剤の開発と臨床応用へ向けた非臨床試験
Project/Area Number |
10J05214
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
吉田 佑希 京都大学, 工学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | ロジウム / ルテニウム / ケテン / カルボジイミド / イソチオシアナート / 共付加環化反応 / ロダニン / 一酸化炭素 |
Research Abstract |
糖は医療用化合物に導入することにより、それらの毒性の軽減・水溶性の向上等の機能が期待される。初年度は、「がん」の治療法として最近注目されている光線力学療法(PDT)のための新規糖鎖連結光増感剤の開発と評価を行い、糖鎖連結フッ素クロリン誘導体、およびフラーレン誘導体のPDT 効果や一重項酸素生成ダイナミクスを明らかにした。しかし「PDT 評価」に関する研究の継続が困難となったため、昨年度より、本研究課題の前段部分であるPDT 効果が期待できる「新物質・新規増感剤の触媒的高効率合成法の開発」に関する研究を進めている。昨年度は、ロジウム錯体触媒を用い、ケテン類とイソチオシアナートからロダニン誘導体が一段階で合成できることを明らかにしたが、本年度は、触媒系および反応条件の最適化を行うことにより、ロダニン誘導体が定量的に得られる新しいロジウム触媒系([RhCl(1,5-cod)]2/dpp bor xantphos)の開発に成功した。さらに、一酸化炭素を取り込んだ新しいヘテロ環構築反応には、ルテニウム錯体触媒が高い触媒活性を示すことを見出した。例えば、カルボジイミド、アルキン、一酸化炭素の分子間[2+2+1]共付加環化反応によるアゾリノン誘導体の新合成法、およびケテン、アルキン、一酸化炭素の分子間[2+2+1]共付加環化反応による5-アルキリデン-2-フラノン誘導体の新合成法の開発に成功した。いずれの反応も副生成物を一切排出しない原子効率に優れた触媒的新規分子間ヘテロPauson-Khand型反応であり、得られたヘテロ環状化合物は、いずれも光感受性化合物として有用と考えられ、その物性およびPDT 効果が期待される
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Research Products
(3 results)