2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10J05254
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Research Institution | Hitotsubashi University |
Principal Investigator |
今野 晴貴 一橋大学, 大学院・社会学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 派遣労働 / 労働市場政策 |
Research Abstract |
本研究の目的は、労働者からの聞き取り調査を中心に、労働市場政策の有効性について、マクロ統計では把握しきれない制度の運用実態の分析から新しい視角を加えるものである。そこで、本研究では以下の課題に取り組むこととしている。 1、日本の労働市場政策の歴史的研究(制度研究) 2、製造業派遣・請負労働者からの聞き取り調査(制度の運用に関する研究) 3、調査結果の分析 本年度の研究においては、2、製造業派遣・請負労働者からの聞き取り調査(制度の運用に関する研究)について主として研究を実施した。 製造業派遣・請負労働者へのヒアリングは、彼らの流動的な雇用形態を反映して困難であるが、関西方面への度重なる出張によって、訴訟、労働争議に発展している事例の当事者・支援者等の信頼を獲得し、新たに7名からヒアリングを行なうことができた。ヒアリングは1名について1時間強実施し、詳細に就労までの経緯、就労後の動態を把握することができた。 また、係争にかかわる資料の研究上の使用の承諾を得、14人分の資料について調査が可能となった。当事者の背景に加え、係争の様態を事案毎に明らかにすることによって、制度と諸個人の行動の連関を明らかにし得る。 さらに、本年度の出張によって獲得した研究対象とのつながりは、今後も幅広い研究上の資料を得る上でも有効である。 これらによって、製造業派遣・請負労働市場の実態解明および制度の有効性の考察に向けた資料上の準備作業を進展することができた。
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