2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10J05357
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
野々瀬 晃平 東京大学, 大学院・工学系研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | チーム / メタ認知 / 分析手法 / 認知モデル |
Research Abstract |
本研究では、チーム構成員自身が自ら行った協調行動のプロセスを説明していくこと、つまりチーム協調プロセスへのメタ認知を通じてチーム協調のメカニズムの解明と評価手法の開発を行っている。本年度では、チーム協調実験を行い、メタ認知に基づくチーム認知モデルの作成を行った。そのため、まず、航空管制シミュレータを用いたチーム協調実験を通じ、協調に関する内省報告データを収集した。そして、その分類システムのカテゴリ、サブカテゴリの定義とチームに関する研究や人間の認知特性に関する研究の知見を統合し、協調におけるメタ認知を整理するモデルを作成した。次に、メタ認知の在り方と協調の関係を検討するため、異なるメタ認知を行わせた実験群(チーム志向型の実験群と自身志向型の実験群)の内省報告の傾向、成績(成功機体数、安全違反時間)、そして発話データを比較した。その結果、チーム志向型のメタ認知的手掛かりでは他の構成員やチーム全体へのメタ認知が引き起こされており、チーム志向型のチームでのみ協調方法の確立に関する発話がなされていた。そして、チーム内の協調パターンの確立や役割分担が行われ、成績の向上が見られた。また、チームの成績が安定して良いチームでは、自分のみならず他の構成員に対するメタ認知、及びメタ認知的活動が活発であることが示唆された。これらのことは、優れたチーム協調を行うためには、自分のみならず、相手やチーム全体など広範囲の主体、内容に対するメタ認知、特にメタ認知的活動を相互に行うことが必要であることを示していると考えられた。そして最後に、チーム協調とメタ認知について得られた知見を基に、メタ認知に基づくチーム認知モデルを完成させた。また、研究成果の一部を海外の学会で発表した。
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Research Products
(1 results)