2010 Fiscal Year Annual Research Report
花粉管誘引物質群 LUREs の受容体同定による花粉管ガイダンス機構の解明に関する研究
Project/Area Number |
10J05954
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
奥田 哲弘 名古屋大学, 理学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 植物 / 生殖 / 花粉管ガイダンス |
Research Abstract |
花粉管ガイダンスにおいて、花粉管誘引物質LUREsは最も重要な雌側の鍵因子の1つである。本研究では、花粉管が誘引物質LUREsを受容・応答する機構を解明するために、LUREsの受容体を同定することを目指している。受容体の生化学的精製にあたり、十分量の花粉管膜タンパク質を得るために、トレニア花粉管の大量培養系を開発した。培養した花粉管に大腸菌で作らせたLURE2を与え、抗LURE2抗体を用いて細胞免疫染色をおこなった。その結果、花粉管は先端でLURE2を受容することが明らかとなった。このことから、LURE2の受容体は花粉管の先端に存在することが示唆された。これまでに、花粉管は母体組織の花柱内を通過することで、LUREに応答できるようになることがわかっている。当研究室において開発されたAlexa-LURE2、蛍光色素Alexaで可視化したLURE2、を用いてLUREの受容について解析を進めた。その結果、LUREの受容においても、花粉管が花柱内部を通過することでLUREを受容できるようになることが明らかとなった。本研究により、花粉管が花柱内部を通過する過程で、LUREの受容体は発現レベルあるいは活性化レベルで制御されている可能性が示唆された。今後は、LURE2と直接相互作用する花粉管タンパク質について質量分析をおこなうととも、トレニア花粉管の発現比較解析をおこなうことで、受容体の解析を進める。
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Research Products
(12 results)