2010 Fiscal Year Annual Research Report
人為的撹乱が送粉者相と先駆的樹木の繁殖に与える影響
Project/Area Number |
10J06034
|
Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
徳本 雄史 名古屋大学, 生命農学研究科, 特別研究員(Dc1)
|
Keywords | 東南アジア / ランビルヒルズ国立公園 / 焼畑耕作 / パイオニア植物 / Dillenia suffruticosa / 繁殖成功 / ハリナシバチ / クマバチ |
Research Abstract |
人為的撹乱による環境変化が地球環境問題の一つとして注目される中、マレーシア・サラワク州においても、焼畑農業などの人為的撹乱によって、様々な生物分類群の種多様性や個体数が減少していることが報告されている。人為的撹乱の影響はある生物の種数や個体数の減少にとどまらず、生物間相互作用にまで影響があるとされている。生物間相互作用の中でも植物と送粉者との相互作用は、熱帯において虫媒樹木が多いという点から、重要な相互作用系の一つである。 本研究では、撹乱を受けていない2カ所の原生林と焼畑後から10年経過した焼畑休閑林、および焼畑休閑林や残存林、択伐林などがモザイク状に広がる場所の4つの地域で、植生の回復程度や撹乱の種類による送粉者相への影響を定量化し、各地域に共通して生育する先駆樹木の量的繁殖成功を調査している。これらのことから、人為的撹乱による送粉者相への影響と、植物-送粉者の相互作用系の結果である樹木の繁殖成功に与える影響を同時に評価できると考えている。 今年度は、各地域に共通して生育する樹木Dillenia suffruticosaを選択し、各地域で送粉者相と結果率、結実率、種子サイズなどの繁殖成功の調査を行った。 今後は質的な繁殖成功や、訪花者の行動などにも焦点を当て、継続的に調査を行う。
|