2010 Fiscal Year Annual Research Report
動物の性決定システムにおける性決定関連DMドメイン遺伝子の分子進化
Project/Area Number |
10J06178
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Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
回渕 修治 北里大学, 理学部, 特別研究員(DC2)
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Keywords | プロモーター / 両生類 / 性決定 / 生殖巣 / 脊椎動物 / DMRT1 / 性分化 / アフリカツメガエル |
Research Abstract |
動物の性決定システムにおいて、DMドメイン遺伝子は広く性決定に関与している。特に、脊椎動物(魚類・両生類・鳥類)のある種では、DMドメイン遺伝子で精巣形成に関与するDMRT1のパラログ、或はオルソログが性決定遺伝子或は精巣決定上位遺伝子として機能しており、脊椎動物の性決定システムにおいてDMRT1は非常に重要であると考えられる。しかし、哺乳類(真獣類)進化過程において、性決定システムは再編成し、新たにDMドメイン遺伝子ではないSRYが性決定遺伝子となった。研究代表者らは、脊椎動物の性決定システム進化を考察するうえで、DMRT1遺伝子の進化を解明することが重要であると考え、初年度である本年度は、以下の解析を行った。1、DMRT1遺伝子のプロモーター進化:脊椎動物においてDMRT1遺伝子のプロモーター進化を論ずるために、魚類メダカ、両生類アフリカツメガル、鳥類ニワトリ、哺乳類マウスの各種において、転写開始点を同定した。2、脊椎動物のDMドメイン遺伝子の進化:原始的な脊椎動物である円口類スナヤツメのDMドメイン遺伝子の単離・解析を行っている。3、アフリカツメガエルDMRT1遺伝子の発現解析:両生類アフリカツメガエルでは、DMRT1が精巣形成上位遺伝子である。哺乳類(真獣類)DMRT1と発現比較するために、アフリカツメガエルDMRT1発現解析を行った。性決定期では雌雄ともに始原生殖細胞の支持細胞に、また性分化期では雄で精原細胞、雌で体細胞に発現が認められた。
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