2012 Fiscal Year Annual Research Report
マイクロビーム照射法を用いた神経幹細胞の増殖・分化に関する放射線の影響
Project/Area Number |
10J06233
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
磯野 真由 首都大学東京, 人間健康科学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 神経幹細胞 / マイクロビーム照射 / ブロードビーム照射 / 細胞増殖 / 分化 / 放射線影響 / DNA損傷 |
Research Abstract |
平成24年度は、昨年度に引き続き、マイクロビーム照射実験では、増殖期の神経幹細胞における細胞核へのプロトン照射粒子数に対する生存率について、結果の精度向上を図り、線量依存性を示唆する結果が得られた。また、照射粒子数100個を細胞核へ照射した際の、DNA損傷の修復およびアポトーシスの誘発率について評価した。DNA損傷の修復は経時的な損傷修復が見られ、アポトーシスの誘発率は非照射細胞と比べて有意な上昇が見られた。よって、マイクロビーム照射実験のDNA損傷およびアポトーシス誘発率については、線量依存性についてそれぞれの検討を行い、昨年度に得られたブロードビームX線照射実験の結果と比較することによって、細胞核または一細胞という標的の違いによる放射線感受性の違いについて明らかに出来るという方向性が見えた。X線照射実験については、今年度より、分化誘導条件で神経幹細胞を培養し、異なる分化段階でマイクロビーム照射実験と同等の照射線量で放射線照射を行い、分化効率への影響について検討を行った。異なる分化段階での照射によって、神経細胞への分化効率の違いが示唆された。細胞分化の際には主に細胞核DNAが関与しており、X線で示唆された分化段階の違いによる分化効率の違いは、DNA損傷の修復機構および修復関連因子、細胞周期制御因子に対する放射線の影響が関与していると考えられる。今後、マイクロビーム照射を用い分化誘導条件で細胞核照射を行い、DNA損傷修復に伴う関連因子と分化関連因子との相関の有無について検討していきたい。これは分化の程度、すなわち発生段階における放射線感受性の違いを解明する一つの手がかりとなり得る。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
昨年度の地震の影響でマイクロビームを用いた実験計画を変更せざるを得なかったため、研究の進展が危ぶまれたが、細胞生存率に関する結果の精度向上やDNA損傷およびアポトーシス誘発に関する実験結果を得ることが出来た。また、X線実験では、神経幹細胞の特徴である分化能に関する放射線影響について結果をえることが出来た。したがって、概ね順調であった。
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Research Products
(3 results)
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[Journal Article] SPICE・NIRS Microbeam: a focused vertical system for proton irradiation of a single cell for radiobiological research2013
Author(s)
Konishi T,Oikawa M,Suya N,Ishikawa T,Maeda T, Kobayashi A,Shiomi N, Kodama K,Hamano T,Homma-Takeda H,Isono M, Hieda K,Uchihori Y,Shirakawa Y
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Journal Title
Journal of Radiation Research
Volume: 00(First published online)
Pages: 1-12
DOI
Peer Reviewed
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