2012 Fiscal Year Annual Research Report
広汎性発達障害の睡眠覚醒リズム異常とその改善に関する研究
Project/Area Number |
10J06634
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
高須 奈々 京都大学, 医学研究科, 特別研究員(PD)
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Keywords | 広汎性発達障害 / ひきこもり / 社会不適応 / 睡眠・覚醒リズム障害 / 睡眠習慣 / 規則正しい生活 |
Research Abstract |
不規則な睡眠習慣を送る男子大学生を対象に、睡眠習慣の規則性が日中及び夜間断眠時の心身に及ぼす影響について検証したところ、普段の睡眠習慣の乱れが大きな人ほど断眠による影響を受けづらいこと、さらに毎日、一定の時刻で寝起きし睡眠の乱れを整えると、日中の活動や夜間の休息期に適した心身の状態が得られることが分かった。これらの結果から規則正しい睡眠習慣は心身の状態を正常化させるのみならず、夜更かしや朝寝坊、徹夜が生活に定着するのを防止する上でも有効であることが示唆された。しかしながら、経験的にも知られるように眠気のリズムと就寝・起床時刻が一致しない場合、毎日、決められた時刻に寝起きするのは難しい。そこで規則正しい生活と並行して、生体リズムの調節や眠気と覚醒度を操作できる環境整備を実施することに決めた。生体リズムを調節する因子には主に光、運動、食事などが挙げられるが、中でも最も重要な因子は光である。また、光は眠気と覚醒度も操作することが出来る。単純に光と言っても効果を得るには考慮すべき要素が多々あり、例えば光の照度、照射時間、照射のタイミング、波長、光履歴などがある。また、光を生活の一部として取り入れるためには、誰でも手軽に負担なく実践できるものでなければならない。このような視点から過去の研究を参考に光照射条件の検討を行った結果、本研究では一般家庭で広く使用されている白色蛍光灯(約5000lx)を用いて昼間に実施することに決定した。今後は規則正しい生活と光照射を組み合わせ、効果の程度を検証していく予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
規則正しい睡眠習慣を生活に定着させるために、生体リズムの調節や眠気と覚醒度を操作できる光照射を実施することに決めたが、光照射は効果があり且つ誰でも手軽に負担なく実践できるものでなければならない。それらを考慮しながら、先行研究を参考に光照射条件を決定した。今後は規則正しい生活と光照射を組み合わせ、効果の程度を検証していく予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
規則正しい睡眠習慣には心身の状態を正常化させるのみならず、夜更かしや朝寝坊、徹夜が生活に定着するのを防止する上でも有効であることが示唆された。しかしながら経験的にも知られるように眠気のリズムと就寝・起床時刻が一致しない場合、毎日、決められた時刻に寝起きするのは難しい。そこで規則正しい生活と並行して、生体リズムの調節や眠気と覚醒度を操作できる環境整備を実施し、規則正しい睡眠習慣を無理なく生活に取り入れたいと考えている。
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