2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10J06802
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
大濱 晶生 名古屋大学, 理学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 天文学 / 星間現象 / 星団形成 |
Research Abstract |
2010年度の研究成果は、巨大星団Westerlund 2とWesterlund 1の2つの領域でガンマ線と分子雲の分布が一致することを明らかにした。H.E.S.S.の研究グループと共同研究を進めて、我々が観測したNANTEN2望遠鏡で観測された12CO(J=2-1)輝線とH.E.S.S.望遠鏡で取得されたTeVガンマ線と比較し、議論を進めた結果、分子雲の分布とTeVガンマ線の分布がよく一致することが明らかにされた。このガンマ線起源は、分子雲と宇宙線が衝突し、πゼロ中間子を生成、その後崩壊しガンマ線を放射する陽子起源の候補の一つである。この成果は、Astronomy and Astrophysicsに投稿され、2011年1月に発表された。 また、衝突起源による星団形成と考えられる分子雲の候補天体(散開星団M20)を見つけた。最後に、2010年6月からNANTEN 2望遠鏡に搭載するための100GHz帯受信器を設計し、受信器を立ち上げた。その後、超伝導素子の評価を行い、名古屋大学の実験室にて一通りの評価試験を無事に終えた。2011年1月よりNANTEN 2望遠鏡に100GHz帯受信器を搭載し、2011年3月より12CO(J=1-0)輝線と13CO(J=1-0)輝線を観測できるようになり、これまでの観測効率を約2倍上げた。これにより、広範囲な観測を行えるようになり、星団に付随する分子雲を短時間で発見できるようになった。
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Research Products
(1 results)