2010 Fiscal Year Annual Research Report
人間・機械共適応による運動機能再建を目指した自律学習型動作意図推定システムの構築
Project/Area Number |
10J06917
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Research Institution | Advanced Telecommunications Research Institute International |
Principal Investigator |
北 佳保里 株式会社国際電気通信基礎技術研究所, 脳情報通信総合研究所, 特別研究員(PD)
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Keywords | 運動機能再建 / リハビリテーション / リーチング / 運動パターン / 主成分分析 / 感覚フィードバック / 表面電気刺激 |
Research Abstract |
運動機能回復の補助となるシステムの開発,また機能回復過程における人の内部状態の変化を評価可能な指標の構築を目的として,1.リーチング動作中の筋活動パターンの変化,健常者との筋活動パターンの違いの検証と,2.表面電気刺激を用いた感覚フィードバック装置の構築を行った. 1.リーチング動作における筋活動パターン変化の検証 運動機能回復過程において生じる運動パターンの変化を定量的に評価可能な指標を構築することを目的として,リーチングタスク時の筋活動パターンを解析した.タスク中に上肢14ヶ所で計測した表面筋電位の振幅値に対して主成分分析を行った結果,健常者では一つの筋を主体的に使用して運動を行っているが,脳卒中患者では複数の筋を同時に活性させながら運動を行っており,提案手法を用いることで運動パターンの違いを評価可能であることが示唆された. 2.表面電気刺激を用いた感覚フィードバック装置の開発 脳卒中後に,運動麻痺は軽度であるのに皮膚感覚,深部感覚ともほとんど脱失するという症状が見られる場合がある.このような場合,過剰な力で物体を把持してしまうなど,感覚フィードバックの欠如のため安定したマニピュレーションを行うことが困難であり,日常生活において麻痺肢を使用することが難しい.そこで,麻痺肢のマニピュレーション能力の向上を目的として,物体を把持した際に指先で計測される圧力に応じて電気刺激の強度を調節し,健側にフィードバックする装置を開発した.患者1名で2カ月のトレーニングを行った結果,安定して缶の把持が行えるようになり,提案システムの有効性が示唆された.
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