2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10J06926
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
高倉 久志 金沢大学, 人間科学系, 特別研究員(PD)
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Keywords | ミオグロビン / ミトコンドリア呼吸活性 / 水泳トレーニング / 不活動 / 共局在性 / 骨格筋 |
Research Abstract |
筋収縮時におけるミオグロビン(Mb)からの酸素供給量は身体活動水準に依存して増減する。トレーニング(Tr)後の骨格筋ではミトコンドリアに共局在するMbの増加が、筋収縮時におけるMbからの酸素供給量の増加に貢献する可能性が示唆された。しかしながら、不活動(IM)後のMbからの酸素供給量が減少した骨格筋において、ミトコンドリアに共局在するMbが減少するか否かについては検討が不十分であった。また、ミトコンドリアとMbの相互作用性を検討するにあたり、当該年度は骨格筋ミトコンドリアの呼吸活性測定にも着手した。そこで本年度は、IMによってミトコンドリアに共局在するMbが減少するか否かと、骨格筋組織からミトコンドリアを単離することによる呼吸活性測定手法の確立とその手法を用いてTrやIMがミトコンドリア呼吸活性に及ぼす影響について検討した。その結果、IM後における骨格筋ミトコンドリア画分のMb発現量に変化は認められなかった。したがって、IM後の骨格筋ではミトコンドリアに共局在するMb量が変化しないことが示唆された。このことは、IM後の筋収縮時におけるMbからの酸素供給量が減少するメカニズムにはミトコンドリアとMbの共局在性が関与していない可能性を示唆するものの、IMの期間や方法などについて更なる検討が必要であろう。また、骨格筋組織からミトコンドリアを単離し、その呼吸活性を測定した。その結果、筋重量あたりのミトコンドリア最大呼吸活性がTr後の骨格筋では上昇傾向を示し、IM後の骨格筋では有意に減少した。今後はMbとミトコンドリアの相互作用性を検討できるようなミトコンドリア呼吸活性の測定方法を考慮に入れながら、更なる検討を進めていく必要があると考えられる。
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