2010 Fiscal Year Annual Research Report
ラマン分光法の岩石学への応用:地殻物質の沈み込み-上昇機構の解明
Project/Area Number |
10J07116
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
纐纈 佑衣 名古屋大学, 環境学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | ラマン分光分析 / 沈み込み帯 / 変泥質岩 / 高圧変成帯 |
Research Abstract |
今年度は,石英ラマン圧力計の補正を行うため,愛媛大学の川嵜智佑教授のもとを3回訪問し,合成実験をさせてもらった.実験で得られたサンプルは名古屋大学に持ち帰り,ラマン分光分析,およびEPMA分析を行った.分析の結果,圧力既知の状態における石英のラマンスペクトルが得られ,石英ラマン圧力計の補正に向けた成果を得ることができた.今後さらに実験を重ね,石英ラマン圧力計の実用化に向けた分析を行っていく.また,産業技術総合研究所の青矢睦月さんと,金沢大学の水上知行助授らと共に,炭質物ラマン温度計の開発も進めた.接触変成帯における炭質物のラマンスペクトルを用いた地質温度計に関する成果はJournal of Metamorphic Geology (vol.28 895-914 2010)に掲載された.今後は,より低温領域に着目し,簡便で精確な新たな地質温度計開発に向けて,研究を進めていく予定である. 変泥質岩の鉱物共生について,全岩組成を用いたシュードセクション法を用いて解析した.その結果,高圧条件下における変泥質岩中の安定なNa相鉱物は,従来考えられていたオンファス輝石ではなく,パラゴナイトであることが明らかとなった.この成果はJournal of Metamorphic Geology (vol.29 301-316 2011)に掲載された.
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Research Products
(5 results)