2010 Fiscal Year Annual Research Report
単一金属ナノ結晶を用いたランダム磁気異方性モデルの検証
Project/Area Number |
10J07421
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
佐藤 卓 筑波大学, 大学院・数理物質科学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | ナノ結晶材料 / 中性子小角散乱 / マイクロマグネティクス / ランダム磁気異方性モデル |
Research Abstract |
【単相Feナノ結晶の作製】Feナノ結晶作製の予備実験として、ガスデポジション法の習得と酸化防止用蒸着室の動作確認を行い、単相Niナノ結晶を作製した。その結果、酸化防止用蒸着膜の作製に成功し、作製試料の磁化測定及びX線測定から、10[Oe]で結晶粒経10[nm]程の、軟磁性ナノ結晶の作製が確認された。次に、Feナノ結晶の作製実験を行った。今後は、この試料の測定及び解析を行う。 【磁気散乱実験】上記に作製したNiナノ結晶を用いて、軟X線磁気共鳴散乱実験を高エネルギー加速器研究機構にて行った。その結果、磁気共鳴時に10[nm]程度の構造ピークを確認した。このシグナルは、外部磁場に反応することから、磁気構造を検出できたと考えている。また、この構造の大きさと結晶粒径が良い一致を見せていることから、試料の結晶粒内の磁化が一様となる、単磁区構造であることが示唆された。今後は、さらに低角度側での回折実験を行い、50-100[nm]である交換結合長観測を目指す。 【マイクロマグネティクス】新しい試みとして、開発した磁気シミュレーションを、永久磁石の特性予測に応用した。鉄・ネオジム系ナノコンポジット磁石のシミュレーションを行い、結晶粒径の減少とともに特性が改善され、5nmでピークを持つということがわかった。これにより、軟磁性体としてのナノ結晶材料研究から、永久磁石への応用も視野に入れた研究に発展することができた。今後は、シミュレーションから得られた実空間の磁化分布から、フーリエ変換を用いることで交換結合長及び磁気散乱実験で予想される散乱強度を計算する予定である。
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[Journal Article] Ferromagnetic nanoparticles for magnetic hyperthermia and thermoablation therapy2010
Author(s)
Eiji Kita, Tatsuya Oda, Takeru Kayano, Suguru Sato, Makoto Minagawa, Hideto Yanagihara, Mikio Kishimoto, Chiharu Mitsumata, Shinji Hashimoto, Keiichi Yamada, Nobuhiro Ohkohchi
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Journal Title
Journal of Physics D
Volume: 43
Pages: 474011-474020
Peer Reviewed
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