2012 Fiscal Year Annual Research Report
介護介助支援ヒューマノイドに向けた対人感覚統合認識行動と適応的全身動作制御の実現
Project/Area Number |
10J07818
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
野沢 峻一 東京大学, 大学院・情報理工学系研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2010 – 2013-03-31
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Keywords | ヒューマノイドロボット / 接触力制御 / 接触状態 |
Research Abstract |
本年度は,介護支援動作において対象・環境・ヒューマノイドロボットの間の接触状態が刻々と変化し,必要な力が未知・変動し,対象の運動誤差がある場合でも適応的な動作が必要なため,これらを実現する動作制御・行動制御方式を明らかにすることを目的とし,研究を行った.次の(1)-(3)に焦点を当て,理論検証のための実証実験,投稿論文・学位論文の執筆を行った. (1)ロボット・対象・環境間の接触状態に基づく動作記述・実行方式の提案 ロボット・対象・環境間の接触状態に応じて操作を記述し,前年度までで構成したヒューマノイドロボットの接触力制御系への運動目標を切り替えることで,動作実行時に実際の接触状態に応じて制御系の挙動を適切に変化させ,多様な動作を一般的に扱える操作の記述・実行方法を提案した.操作に必要な力が未知な異なる複数の対象を,持ち上げ操作・押し操作など多様な操作方法により操作する実証実験により,提案する操作の記述・実行法が有効であることを明らかにした. (2)未知・変動操作力への適応する制御系の構成 接触力制御系への接触力目標値を対象や操作方法に応じて更新することで,必要な力が未知・変動する場合でも,転倒を起こさず必要な力を発生可能な接触力制御系拡張を行った.これに基づき,介護支援動作の検証として車椅子運搬タスク実験を行い,搭乗者の有無で必要な力が変わる押し操作実験や,人体のようなリンク構造操作に伴う検証実験として,ドア・引き出しのような構造物を扱う実験を行い,有効性を示した. (3)対象運動誤差への適応する制御系の構成 対象が環境と接する場合には,対象の運動は環境からの反力にも影響を受けるため,接触力制御により対象と柔軟に接触する接触点運動から対象の運動推定を行い,適応的にヒューマノイドロボットの全身運動を修正する方法を構成した.既知・未知構造の対象に対する実証実験により有効性を示した.
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