2010 Fiscal Year Annual Research Report
膜構造建築物の強風時応答性状と温熱特性に基くインテグレートデザイン指針の確立
Project/Area Number |
10J07895
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
永井 佑季 日本大学, 理工学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 膜構造 / ホルン型張力膜 / 耐風設計 / 風洞実験 / 温熱特性 |
Research Abstract |
本研究の目的は、第一に膜構造建築物の強風時応答性状を明らかにすること。第二に、環境的視点にたち、膜構造物内の温熱環境を明らかにすること。第三に、これらより得られた結果を用いエンジニアリングサイドから膜建築物の設計にアプローチし、膜構造物に対する環境と構造のデザインの統合手法の提案を行うことである。特に本研究では膜構造物として汎用性の高い形状であるホルン型張力膜構造を対象として研究を進めている。 本年度は、ホルン型張力膜構造の耐風設計を行うための風圧分布性状を把握するために数度にわたり対象構造物の風洞実験を行い、ホルン型張力膜の風圧分布性状の確認を行った。特に、模型のスケールや、気流性状などをパラメータにとり、風圧力を測定し、本構造物にかかる風荷重のデータベース化を図った。さらには、得られた実験データより、応答解析を進めている。 第二の目的である温熱特性の把握のために、膜構造の歴史をもつドイツにて、膜構造物の温熱環境に関する歴史的調査を行った。国内にも、膜構造物の温熱環境に取り組む事例は数件あるが、デザイン的ファクターにも着目して発展を進めてきたのは、ドイツ特有のものであり、歴史も長い。ここでは、文献調査を主として、その歴史的発展、過去の構想などについて調査を行った。本研究で取り組むホルン型張力膜構造は、世界中に数多くの実施物件があるにも関わらず、その設計用風荷重や温熱特性についてまとめたものは少ないことから、この研究から得られる成果が期待されている。
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Research Products
(2 results)